交通事故の慰謝料請求という事態になったら赤本の存在を知るといい

2017年の交通事故発生数は47万2,165件です。うち一番多いのが軽傷事故で、43万3,595件。届出があった件数だけですから実際に起きた交通事故はもっと多いはずです。生活をしている限り誰にでも起こりうる交通事故。

いつどんな状況で事故に遭ってもおかしくない現代、実際に慰謝料を請求する立場になった時、「赤い本」又は「赤本」と言われている資料の存在を知っておくと心強いです。

赤本とはどういうもの?

いざ事故にあってしまった場合どうしたらいいのだろう?と少し考えておくのは心の準備になります。また事故を起こした相手から渡されたいろいろな書類に署名をする際、その内容が正しいのか、妥当なのか、何か確認する方法はあるのかということが頭をよぎったことがある方は少なくないはずです。

では慰謝料というのはどうやって算出されるのでしょうか?実は算出の基準というのは1つではありません。事故にあって入院するはめになった、もしくは通院しなければならなくなった場合の慰謝料の計算基準には大きく3通りあるようです。

自賠責保険から支払われる際の自賠責基準、任意保険会社が独自で算出する際の任意保険会社基準。そして3つ目が弁護士基準又は裁判基準といわれるものです。3つ目は弁護士が依頼を受けて交渉ごとをおこなったり、裁判所が判断する際の基準になっています。

その判断の基準として「赤本」の情報がよく参考にされています。赤本というのは通称で、正式名称は「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」といいます。公益財団法人日弁連交通事故相談センターの本部が発行元で、一般の書店では販売されていないようです。

因みに2018年度版のセット価格は3,000円(税込)です。赤い装丁から「赤い本」又は「赤本」と言われています。

交通事故における慰謝料の計算方法と金額を高くするコツ

赤本は自分の判断に役立つ参考資料

赤本は東京地裁の実務が根拠となっており、上巻の基準編と下巻の講演録編のセットになっています。

毎年2月に改訂版を発行しているということですので、常に時代の変遷に合わせているといえます。この赤本は法曹関係者向けの専門書であると紹介されていますので、一般の人が内容を全て理解する必要はないということですし、赤本を買ったからといって基準額の慰謝料がもらえるというわけではないでしょう。

実際交渉事となった場合には専門家である弁護士の力が必要になってきます。ただ色々と知らなかった事項や基準があるのだと分かるという点では大変役立つ資料であることは確かです。また過去の判例が紹介されているので、自分と似たケースがあった場合はこれからの自分の状況の進展についてとても参考になることでしょう。

正当な慰謝料の権利

自賠責基準は自動車損害賠償責任保険の支払基準を採用しています。その根拠は自動車損害賠償保障法に定められています。任意保険基準はそれぞれの保険会社が支払い基準になっています。いわゆる示談交渉の場合に保険会社が提示する金額の多くは自賠責基準を元にしているか、その保険会社の内部で定めた独自の基準で算出された金額というのが多いようです。

この2つの基準から算出額は多くの場合弁護士基準、つまり赤本基準より低い額になっているというのがポイントです。

交通事故の被害にあってしまった

実際に交通事故という不利益・損害を受けてしまった場合、それを具体的に文面に表すことで手続きを進めることができます。請求できる内容として浮かびやすいのは治療費や入院通院費でしょう。実際すぐにレシートや金額を証明する紙がもらいやすいですね。

では他にはどういったものがあるのでしょうか。また慰謝料の分類をどのように体系的に考えればいいのでしょうか。事故にあってから生活の様々な場面で変化を強いられてなんだか理不尽だと漠然と思った場合、それを文面に表さなければなりません。

実際慰謝料というのはどういうもの?

例えば前述に挙げた治療費や入院通院費というのは「積極損害」の部類に入ります。積極損害は診療費などいわゆる実費の弁償の内容なので比較的分かりやすいですね。診療費の他にも付き添い看護費や遅延賠償金、そして損害賠償請求をする際の弁護士費用などもこの部類に入ります。

こういった項目を見ただけでも、事故にあった後の混乱した状況とはいえ出費をしたら記録に残るようにしておくことが大事だということに気づかされます。こういった普段日常生活では使わない専門用語を用いて、交通事故の慰謝料について体系的に説明しているのが赤本です。

「積極損害」という言葉に対し、「消極損害」という用語もあります。こういったあたりから自分の漠然とした理不尽な気持ちが言葉で表されていくことになるでしょう。「消極損害」は事故にあってしまった故に実際に支払わなくてはならなくなった金額に対して、交通事故にあわずに通常の生活をしていれば得られたはずの収入が入らなくなってしまったという部分をいっています。

該当するのが休業損害や営業損害、そして逸失利益という部分です。

これも経済的な損害の部分ですね。自営業の場合だけでなく、雇われて働いている人も交通事故に遭ってから自分の勤務状況の変化について整理しておくといいということでしょう。交通事故にあった瞬間の自覚できる怪我がそれほど重大には思われなかった場合、忘れがちなのが後遺症です。

人間の体は瞬間的に受ける衝撃に対応するのは難しく、後からその影響が出てくるのはよくあることです。そのあたりは「後遺症」をキーワードに見ていく、又は相談することができます。

交通事故の慰謝料の相場はどの程度なのか

他にも赤本から見つけられるボキャブラリー

慰謝料の請求で見つかるボキャブラリーには「損益相殺」もあります。これは交通事故で被害者の方にも過失があると認められた場合、その過失の度合いで損害賠償金が減額されるということです。更に事故にあった方が何らかの給付金を受領した場合、それらが被害の総額から引かれるということになっています。

この辺りは被害者ご本人がよく説明を受けられない場合、又はどうしてその金額が算出されたのか分からない場合は専門家や当該機関に相談して納得する必要がある部分ですね。

これは自分一人で解決するのが難しいと思ったら

交通事故で損害を受けた内容が重大であるほど毎日の生活の様々な部分に支障が出てきたり、それが長引くことでまた精神的にも消耗してきます。そうなった時、弁護士に依頼をするという手段が妥当な場合があるでしょう。

自分が依頼する弁護士は自分の味方について、事故にあってしまってから以降はそれ以上の不利益を被らないよう必要な書類を準備して問題解決を試みてくれるという点で心の支えになることは間違いありません。解決の参考資料の1つが赤本です。

交通事故にあってしまった場合、身体的な損害だけでなく、経済的にも精神的にもその日からの日常生活で毎日その損害に気づかされることになります。できることなら1日も早く事故について自分の納得のいく解決をして、スイッチを入れ替えて生活できるといいですね。

青木での交通事故について